Technical Reports on Information and
Computer Science from Kochi
Vol. 7 (2015), No. 05
三端子ネットのゼロスキュー配線の一手法
A Skew-zero Router for the Three Terminal Net
豊永 昌彦 (Masahiko Toyonaga)1,
松下 充 (Mitsuru Matsushita)2,
森本 裕介 (Yusuke Morimoto)3
1. 高知大学 情報講座
2. 高知大学理学部
3. 高知大学院
Information Science Division, Faculty of Science, Kochi University
要旨
デジタル回路の同期式設計では,フリップフロップなどの同期素子へクロック信号を同時配信することが前提で,その遅延差は,動作速度を左右する.性能向上には,クロック遅延差(クロックスキュー)を0にする配線手法が求められる.本論文は,新たなスキューゼロ配線手法を提案する.提案手法では,3端子ネットに限定するものの同期素子の入力容量差を考慮したゼロスキューを提供する.提案手法は1)入力容量差をもつRCネットワークの等遅延点の計算式,および2)等遅延点で3端子配線する迷路配線法の拡張で構成される.簡単な回路の実験によれば,提案手法により最良で数%以内の誤差でゼロスキューが実現できることが判明した.
(2015年3月19日 受付)
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