Technical Reports on Information and
Computer Science from Kochi
Vol. 9 (2017), No. 6
ペア信号遅延自動均等調整配線法Wriggle
Automatic Tuning Router for Pair Signal Delay Equivalence: Wriggle
松下 充1, 豊永 昌彦2
1. 高知大学大学院理学専攻情報講座
2. 高知大学理学部
要旨

VLSIは,製造微細化で高性能化を実現してきたが,一方で信号遅延を不確実にしており,差動増幅回路などの遅延調整が難しく,手作業による再設計が必須となっている.これを解決するため配線長を等長にする配線法が提案されているが,いずれも配線領域が予め与えられることを前提としており,高密度な回路では使えない. そこで,配線領域を自ら探して等長配線する新配線法WRIGGLEを提案する.WRIGGLEは,ペア信号を迷路法で最短配線し,より短い配線長の信号経路周辺を探索幅Wで領域探索し,冗長配線を生成して配線長を均等化する. 障害物を含む配線領域での実験から,5%~15%程度の傷害物を含む配線領域で配線均等化ができることが判明した.

(2017年3月22日 受付)

全文(PDF) (1114 KB)