Technical Reports on Information and
Computer Science from Kochi
Vol. 1 (2009), No. 2
Web シラバスシステムにおける OpenID 利用の試み
吉田 俊雄1, 菊地 時夫2
1. 高知大学大学院理学研究科数理情報科学専攻
2. 高知大学情報科学教室
要旨
高知学園短期大学では,授業シラバスの公開手段として Plone/ArcheTypes を応用した Web シラバスシステムを導入している.このシステムはインターネット経由でその設置場所を意識せずに利用でき,これまでに資格取得のための単位確認インタフェースを導入するなど機能拡張性を持っている. 本研究では,ここに新たに学生の個人認証を導入し,履修歴確認などの機能拡大への対応を目指し た.システム標準の認証機能では,学生 DB の再設置や情報漏えいが問題となるため,本研究では Web 上で安全に認証を実現する技術である OpenID を用いて学内認証をシステムで再利用する方法を 試みた.OpenID には認証機能を提供する OpenID Provider,認証機能を利用する Relying Party,認 証されるユーザの三者があり,それぞれ大学の学生 DB,Web シラバスシステム,学生が対応する が,高知大学においてそれらに近い条件の試験環境を構築し,OpenID 利用の実現性を検証した.構 築にあたっては Apache httpd の ReverseProxy 機能が問題となったが,設定を調整することで解決し, OpenID によるログイン成功に至った.今後,認証に加えて履修歴などを利用するにあたりセキュリ ティの強化が必要であるが,その一環として安全なプロトコルを提案し考察した.
(2009年3月4日 受付)

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