Technical Reports on Information and
Computer Science from Kochi
Vol. 8 (2016), No. 10
タイムスケーラブルな最適化手法TAPE
A Time-Scalable Simulated Annealing based Solver:TAPE
楊 成 (Chang Yang)1, 豊永 昌彦 (Masahiko Toyonaga)2, 松下 充 (Mitsuru Matsushita)1, 林 拓哉 (Takuya Hayashi)2
1. 高知大学大学院理学専攻情報講座
2. 高知大学理学部
要旨

情報社会では多くの組合せ問題の問題の解法として,「グローバルな最適化」あるいは「リアルタイム最適化」法が必要である.そこで,本論文において,最適化手法シミュレーテドアニーリング法(SA)をベースにグローバルからリアルタイムまで適用可能な時間拡張性をもつ(タイムスケーラブル)な最適化手法TAPEを提案する.TAPEは,低温Tswでペアワイズ交換法(PW)へ切り替えるSA法(APE[1])を急冷して短時間に初期解を得て,次により計算で求めた再SA温度Tcalから再アニールを繰り返して時間経緯ごとに改善された解を出力する. トラベリングセールスマン問題でTAPEを評価したところ,初期解はPWよりも良質で,さらに実行時間に応じて,SAと同程度以上(4.2%~29.8%改善)の良質な解が得られることがわかった.

(2016年3月22日 受付)

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